理事長ごあいさつ

再任のごあいさつ

日本調停協会連合会
理事長 江口 十三郎

日本調停協会連合会
理事長 江口 十三郎

令和8年6月15日の定時評議員会及び臨時理事会で、昨年度に引き続き、日本調停協会連合会の理事長に再任されました江口十三郎(えぐちじゅうさぶろう)でございます。

調停制度ができる以前から、日本には、話し合いを中心とする紛争解決制度として、江戸時代では、内済(ないさい)」という制度があり、明治時代では、「勧解(かんかい)」という制度がありました。このように、古くから話し合いを尊重する紛争解決制度が存在したのは、国民性に拠るところが大きいと思われます。

そして大正時代になって、「調停(ちょうてい)」という名前の紛争解決制度が始まります。大正11年に作られた借地借家に関する調停法です。訴訟(裁判)は、時間や費用がかかり、勝ち負けで当事者間に不和も生じるため、借地借家のように、将来にわたって貸主借主の関係が続くものには不向きで不便でした。そこで、平和的な解決手続として、話し合いと合意に基づく調停制度が作られたのです。その後、借地借家だけでなく種々の民事事件について、「民事調停」が行なわれるようになりました。

さらに、第二次大戦後の日本国憲法の下では、家族の問題も、個人の意見を尊重し子供の福祉を守るために、まず調停による話し合いを先行し解決の原則とする、「家事調停」が広く行われるようになりました。

このような調停で、話し合いをリードするのは、国民の有識者である「調停委員」と、法律専門家である「調停主任」とから成る、「調停委員会」です。調停委員会が、申立人と相手方の双方から順番に話を聞いて、お互いに認める部分と意見が違う部分を確認します。申立人と相手方は、調停委員会とともに、意見の違う部分について可能な歩み寄りを考えて、解決点を目指します。申立人と相手方が意見の違う部分について、もう少しのところで一致できないときには、申立人と相手方が求めれば、調停委員会が適当と考えた意見を示すなどして、譲り合いをさらに進めることもあります。

この調停制度は、申立が裁判より簡単で安く、手続が簡易迅速で秘密性もあり、解決方法が柔軟で妥当かつ平和に行えるなど、「利用者のニーズ」に沿う利点があります。

日本調停協会連合会は、このように日本の国民性に合致する調停制度の維持・発展に寄与するために、調停委員の資格者が運営する公益財団です。

現在は社会のデジタル化、司法のウェブ化に適合すべく、組織・事業・運営のブラッシュアップに取り掛かっております。

このホームページも利用しやすい新しいものへと刷新計画を実行中です。

調停制度を利用される皆様、調停制度をまだ知らない皆様に、調停制度の内容や利点を分かりやすくご説明し、ご活用頂けるよう、現在進行形ですので、今後の調停制度と当会に対し、ご理解とご期待のほどを宜しくお願い申し上げます。

令和8年6月吉日